今更「今宵フェスティバブル」を語る

今宵フェスティバブル - 高宮なすの(鳴海杏子)

今宵フェスティバブル - 高宮なすの(鳴海杏子)


今更てーきゅうベストセレクションのOP「今宵フェスティバブル」にめちゃくちゃハマってるっていうのは前前前回(←これが言いたかった)の記事で書いたんですけど、この前店長に今宵フェスティバブルの何が素晴らしいかを伝える時にボキャがあまりにアレすぎて「とにかくすごい」としか言えなかったのめっちゃ悔しいから改めてこの曲の魅力をまとめてみた。

結論から言うとこの「今宵フェスティバブル」が僕の心にガツンときた理由は2つある。
1つ目は曲の展開の仕方なんだけど、まずはフルバージョンの曲展開を見てほしい。

Aメロ→Bメロ→サビ→Bメロ→Aメロ→サビ→Cメロ→Dメロ→Bメロ→Eメロ→サビ

この中で特筆すべきは何といっても2番でAメロとBメロが逆転するところ。すっごいオシャレだと思いません?普段意識して聴いてないだけかもしれないけど、2番以降でメロディーが逆転する曲挙げてって言われたら今この曲以外に挙げられない。それくらい新鮮な展開。

その後もCメロ→Dメロと贅沢に続いたと思ったらまたBメロに戻ってそこから更に別のメロディーをぶち込んできていつものサビで終わるという高級ディナーのコース料理を味わったあとのような満足感が得られるステキな展開。本当に最高。

今も昔もJ-POPの曲展開なんて、

Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→サビ

↑こんなんばっかで全然わくわくしないんだよな。でもまあそもそもJ-POPっていうのは個人の色を出すことはもちろんだけどまず“売れる”ことが大切で、コード進行だって万人受けするように作られてるからアニソンと比べるのはちょっと違うとは自分でも思うけどね。適材適所というか。でも同じアニソンで考えてもここまで凝った展開を広げる曲はそうそうないんじゃないかなあ。

◇◆◇◆◇


そしてもう1つは歌っているキャラクターに合わせつつ韻を踏みまくる歌詞

これに関しては歌詞をまるまる載せるわけにはいかないので各自でフル音源買って聴いてくれとしか言いようがないんだけど、上の動画で歌われてる部分にもかなり魅力的な部分はある。細かい韻の踏みどころは沢山あるけどその中でも目立つ部分だけ抜き出すと……

(Aメロ)徒歩5分の道をTaxi
(Aメロ)車ごと買い取る選択肢は...
(Bメロ)商売繁盛 祈る豊穣
(Bメロ)奉られるわたくし
(Bメロ)空気なんか蹴っ飛ばして
(サビ)バブルバブりゆく金の泡
(サビ)回していきますわ世の中
(サビ)経済格闘家 キック!1,2!

(Bメロ)颯爽登場 のべる口上
(Aメロ)胸の谷間 放つToxic
(サビ)巡る巡りゆく時の川
(サビ)蛙になりがち井の中
(サビ)全面方位だ 陸!海!空!

2番まででこんな感じ。もう一度説明するけどこれはあくまで一部です。これだけ韻を踏まれると聴いてて気持ちよくならないわけがないですよね。

でも「Taxi」と「選択肢」みたいにありがちな韻ばっかり踏んでるんじゃないの?なんて思った人も少なくないと思うんだけど、この曲の歌詞の素晴らしい点は歌っているキャラクターに合っているってところにあるんですよ。

この曲を歌っているてーきゅうの登場キャラクター“高宮なすの”はお金持ちキャラで、5分歩くくらいならタクシーだって何の躊躇いもなく買っちゃうような存在なんです。それでいて一人称が「わたくし」なもんだから、「Taxi」「選択肢」「わたくし」の韻はただ単に置いたわけじゃなくてかなり考えられて踏まれてるのがわかる。これを1番のBメロまでで回収できてるのがヤバい。

そしてこの曲でかなり頭に残るフレーズといえば「経済格闘家 キック!1,2!」なんだけど、これを2番のサビで更に「陸!海!空!」で踏んでくるの天才すぎだと思ったし、このキックのくだりも1番Bメロでしっかりと韻の伏線?が張られてるの完全に鳥肌モノ。もうホントすき……ふとした拍子に口ずさみたくなるんだよな……。

◇◆◇◆◇


というわけでこの「今宵フェスティバブル」、曲全体もシャッフル調でノリノリになれるし、これでもか!と言わんばかりに合いの手が入ってくるしでまさにフェスティバルそのもの。曲をただ聴いてここまで楽しくなるのには考えつくされた色んな要素が詰まっているからなんだなあと感じられた至高の1曲です。しばらくループは止まらなさそう。

 

っていうのを全部店長に言ったところで「長すぎてよくわかんなかった、もうちょいまとめて」って言われそうだし、やっぱり「とにかくすごい」が最適解だったのかもしれない。

今宵フェスティバブル

今宵フェスティバブル

 
てーきゅうBEST

てーきゅうBEST